アンサンブルで最初に通し練習をする重要な意味

2022年11月12日、第2回目の新中級者アンサンブルが開催されました。
今年も終わりに近づいてきて、ますます1ヶ月が早く感じるようになってきましたね。
こちらのアンサンブルクラスも、顔合わせをしたばかりのような気がしていたのですが、早5週間経ってしまいました。
今回は、お一人お休みのため、B♭クラリネット4名とバスクラリネット1名の計5名で演奏していきましょう。(通しの時のみ講師も演奏)
演奏曲は先月から引き続き、溝口肇作曲『世界の車窓から』と、L.ハーライン作曲『星に願いを』の2曲です。
複数曲ある時の個人練習の進め方
アンサンブルだけでなく、吹奏楽やオーケストラに所属している場合もそうですが、同時に何曲も練習せねばならないことは、案外多いと思います。
練習できる時間には限りがありますので、自分にあった練習の進め方を知っておく必要がありますが、共通して言える大切なことは、なるべく早い段階で全ての曲に目を通しておく、ということです。
同時に楽譜を複数渡された場合は、一気に全曲吹いてみるべきですし、決まった曲から楽譜を渡されるスタイルであれば、もらったものから、どんどん初見に挑戦しておきます。
そうすることで、自分にどんな練習が必要なのか見えてきますので、「簡単そうな曲からやっておこう」とか、逆に「難しそうなのだけはとりあえず手をつけてみよう」など、優先順位をつけたりせず、まずは平均的に初見・譜読みに取り組んでおきましょう。
くれぐれも、いざ合わせる段階で「これ、実は全然やってないんだよね」という曲がないようにして下さいね。
アンサンブルで最初に通し練習をする重要な意味

東京クラリネット教室のアンサンブルクラスでは、まずは最初に通して演奏をして、現状の把握をしています。
これは、仕上がり具合を確認することはもちろん、その日の練習をどう進めるべきかを見極めることが、一番の目的で、こちらのクラスのように複数曲演奏している場合は、どちらの曲がより合わせることが必要そうか、という部分が、かなり重要な着眼点になります。
通しなしに、「前回こっちをたくさんやったから、もう一つの曲をやりましょう」というように練習を始めることは、個人練習の時は有用ですし、一つのやり方ではありますが、限られた時間内でアンサンブルをしなければいけない場合は、あまり得策ではありません。
なぜなら、例えば通してみて「あまりアンサンブルできてない」という事実があった時、これは
- 個々の練習状況やテクニックの部分が、まだ合わせるに至ってない
- 曲として合わせることが難しく、一人一人は吹けているのに、合わせるという点で完成度が低い
というように「できない」とひとくくりにするには、あまりに対処法が違う状態のことも多いからです。
もし2曲取り組んでいて、上記の例にそれぞれ当てはまる時、アンサンブル練習の時間を使って、先にやるべきは下段のような状態の曲です。
また、1曲の中でも部分によって、同じような差が出てくることもあるはずです。
それをしっかりと掴むことが、最初に通し練習をすることの重要な意味である、ということを、きちんと考えながら通すようにしましょう。
なお、個々ができていないと感じている箇所については、重点的に練習に取り組んで、次に合わせる機会が来るまでに、一定のレベルまで引き上げておいて下さいね。
練習の最後も通し演奏を

練習の最初に通すことと同じくらい大切なのが、最後の通しです。
その日にやった成果を確認することが、次へのやる気につながりますし、次回みんなで合わせるまでの個人練習の指標になります。
細かく練習していると、ついつい時間配分を忘れてしまいがちですが、最後に通せるだけの時間をきちんと残すようにしましょう。
今回は、聴いている講師だけでなく、参加者の皆さんご自身が、最初の通しと最後の通しでの変化を、しっかり感じていただけたようです。
「丁寧にやったらやった分、きちんと演奏に反映されるんだ!」ということがわかっていただけたと思いますので、皆さんお忙しいとは思いますが、また来月に向けて目標を持って練習してみて下さいね。