ゆっくりした変拍子を吹く時に注意すべきこと

本日は、上級者アンサンブルが行われました。
今は、極力広い部屋を準備しているのですが、今日はご都合でお二人お休みだったのもあり、いつもよりさらに広々とセッティングしてのアンサンブルとなりました。
そんなわけで、今回はB♭クラリネット3名とバスクラリネット1名の計4名と、通しの時だけ講師も参加して演奏していきます。
演奏曲は、A.リード作曲『エル・カミーノ・レアル』です。
拍子が変わる時の切り替えを確実に
今回演奏の『エル・カミーノ・レアル』は、急ー緩ー急の構成になっていて、速い部分は「4分の〇拍子」、遅い部分は「8分の〇拍子」で書かれています。
速い部分も遅い部分も、拍子が変わることがあるのですが、イントロでは特に、一小節ごとに「4分の4拍子」「4分の3拍子」が交互に出たり、最後の最後で「4分の3拍子」2小節分をトレモロで伸ばしていたら、突然「4分の2拍子」で曲が終わったりと、「おっと!思っていた拍子感と違う…」ということが起きやすい作りになっています。
また、引っかけのように、長く伸ばす音があったり、タイがついていたりと、これまた拍子感を失いやすく書いてあるところが、地味に難易度を上げているのですが、聴いている側が何気なく感じている拍子感を「おや?」と、いい意味で裏切るための拍子の切り替えに、奏者本人が足元をすくわれてしまってはいけません。
自信を持って演奏できるように、指揮をしながら歌ってみたり、ゆっくり吹いて拍子感の切り替えを確実にするくせをつけておきましょう。
ゆっくりした変拍子を吹く時に注意すべきこと

また、先述の通り、中間部のゆっくりしたところは、「8分の〇拍子」で書かれているのですが、この部分の切り替えに関しては、テンポが遅いことと、八分音符が並んでいることが多いので、数えやすく、そこまで難しくないと思います。
しかし、このゆっくりした中間部では、他に気にしなくてはならないことがあります。
例えば、まず「8分の7拍子」で始まるのですが、これを「7」で数えてはいけません。
音楽が流れなくなってしまうからです。
では、どう数えるかと言うと、「大きな3拍子」のカウントと八分音符で刻むことを、同時にしていくことが求められます。
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次に「8分の8拍子」が出てきますが、ここも3拍子として数えます。
また、それ以降に出てくる「8分の4拍子」「8分の5拍子」「8分の6拍子」は、2拍子ですね。
ゆっくりしたテンポで、かつ変拍子と言われる拍子が続くと、一生懸命「1・2・3・4・5…」と数えてしまいがちですが、頭の中でどうカウントしているのかというのは、音楽に表れてしまい、音楽的な演奏とはかけ離れることになります。
「8分の〇拍子」の変拍子でゆっくりな曲の時は特に、八分音符で数えることと併せて、大きなカウントもするようにしましょう。
曲の場面に合った雰囲気を表現しよう

休憩中には、この曲がどんな題材を元に作曲されたか、という話になりました。
そこから「この部分は、こんな感じなんじゃない?」など、話が膨らんでいきましたので、ぜひそのイメージを表現するべく、まずは全体を通して具体的なイメージを持つこと、そしてそれを演奏に反映させるにはどうしたらかいいか、ということを考えながら、練習を進めてみて下さい。
演奏技術的には、思ったよりも吹きやすそうなので、より音楽的な演奏を目指していきましょう。