その場に合った譜読みを考えられるようにしよう

2023年9月23日、今年第9回目の中級者アンサンブル・チームぞうさんが開催されました。
発表会から1週間以内だと、やはり忙しない感じがありますが、次の発表会までのことを考えるとそうも言ってられないので、早速頑張っていきましょう。
こちらのクラスは、お一人別のクラスに異動されたので、今回は4名での演奏になります。
少し寂しいですが、お休み中の方のお戻りと、新しい方のご参加を楽しみに待ちたいですね。
そのようなわけで、今日はB♭クラリネット3名と、バスクラリネット1名の計4名で新曲に取り組んでいきます。
新しい演奏曲はグランドマン作曲『Caprice for Clarinets』と、賛美歌『アメイジング・グレイス』です。
曲の目的を考えて練習していこう
次にやることになった2曲は、先日の発表会で演奏した曲達と、かなり雰囲気が違います。
こちらのクラスは、ご参加の皆さんで曲を選んでいただいているので、一人一人にどんな目標・目的があって選ばれたのかはっきりしたことはわかりませんが、当然学ぶものや得られるものはあります。
それを具体的に把握した上で、練習をしていくようにしましょう。
例えば
- 縦の線を揃える
- メロディーを歌い込む
- ハーモニーを美しく響かせる
- メロディーと伴奏の受け渡し
- 揃った速い指回し
- テンポ変化の確実性
などなど、気をつけることは、挙げたらきりがないくらい多岐にわたります。
1曲の中に、いろいろな要素がある曲もありますし、一つのことに特化した曲もあります。
今自分が演奏しようとしている曲は、何が求められているのか、ということをきちんと考え、その上で演奏するようにしていきましょう。
その場に合った譜読みを考えられるようにしよう

東京クラリネット教室のアンサンブルクラスで新しい曲を始める時は、必ず一度初見で通してから、譜読みの時間を10~15分くらい取って、そこから細かく合わせる練習を始めていきます。
所属している楽団も、同じような進め方をしていく、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
よほど「初見が得意だから必要ない」という方を除けば、新曲を吹くのであれば、譜読みというのは欠かせないものですね。
譜読みの進め方は人それぞれではありますが、目的は「全てを楽譜通り吹けるようにする」ことです。
ただ、状況に合った譜読みが必要ですので、そこは臨機応変に行えるようにしていきましょう。
というのも、今回お話しているような「配られた楽譜を短時間読んで、すぐにどんどん合わせる練習をしていく」場合と、「次にみんなで合わせるのは、数日~1ヶ月後」という場合では、求められることが違うからです。
譜読みするとなると、「音が多くて難しいところ」であったり、「調号や臨時記号がたくさんゾーン」であったりを中心に始めてしまいがちですが、「初見→譜読み→合わせ」の時は、すぐに合わせることが控えていますので、「今すぐにはできるようにならなさそうな箇所」というのは、一旦保留して、輪郭や骨組みを捉えることに集中すべきです。
細かな部分よりも、通すことに重きを置き、途中でいなくなってしまわないことが第一ですね。
一方、譜読みから次の合わせまで時間が取れる時は、一つでも多く正しい音を正しい位置で鳴らすことが必要になります。
全体像はもとより、音が連なっていて大変なところも、瞬間的な転調(臨時記号多発)や、正しいアーティキュレーションまで、楽譜に書いてある音を、楽譜に書いてある通りに吹けるよう、練習を重ねなければいけません。
このように、「譜読み」と一言で言っても、やるべきこと・求められていることは、その場その場で変わります。
「私の譜読みはこのやり方!」とこだわりすぎず、「あ、今は10分しかないから、確実にできそうなところだけやっておこう」というように、やるべきことを見極めた譜読みができるようにしていきましょう。
クラリネットの響きの美しさを表現していこう

今回は、クラリネットアンサンブル用に書かれたオリジナル曲と、歌からの編曲の2曲です。
いずれの曲も、パートごとの譜面はそこまで入り組んでいませんが、全員の演奏がばしっとはまりこむと、クラリネットの響きの美しさやおもしろさが前面に出た素敵な曲ですので、まずはしっかりと譜読みをして、来月に備えておいて下さい。
また、以前からお話していますが、譜読みの段階でアーティキュレーションを正しくつけることを、忘れないようにして下さいね。
次回も楽しみにしています。