一大事!クラリネットのリングが外れてしまった時は
2023年になって、早くも10日。
あまりに早すぎて、今年もあっという間に過ぎてしまいそうな気がしますが、一日一日をきちんと過ごしていきたいですね。
今年もどうぞよろしくお願い致します!
さて、数年ぶりに年末年始に五連休したのですが、その間クラリネットを吹かなかった私。
実はケースの中で、楽器は刻々と変化していました。
全てのリングが…!
1月5日、久しぶりにケースを開けてみたら、なんとも言えない違和感が。
樽を手に取ると、
なんとリングが取れてしまっていました。
嫌な予感がして、樽の下部・下管上部・ベル上部のリングを触ってみると、全て外れるではないですか!
この時、ベルリングは動かなかったのですが、これものちにゆるんでいることが判明しました。
長いこと、このクラリネットを愛用していますが、こんなことは初めて。(大学時代にリングを外して遊んでいる友人はいましたが)
なかなかのショックを受けつつ、お世話になっているザ・クラリネットショップがまだ年末年始休業中だったため、翌日を待つこととなりました。
一大事!クラリネットのリングが外れてしまった時は
クラリネットのリングが外れてしまった理由は乾燥です。
要は、乾燥により木が縮んでしまい、リングよりも細くなってしまったために外れてしまったのです。(リングは接着しているのではなく、基本的にはめてあるだけです)
リングが外れたのが初めてだったため、外れてしまった時の注意点も知らなかったのですが、リングがはまっている部分の木は薄くなっているため、組み立て・片づけ時にちょっと傾けただけでも、割れる危険性があるとのこと。
確かに、ベルの方なんて、木の厚さは1mmもないですね。
リングが飛んでしまうのが嫌で、そっと抜き差ししていましたが、それが功を奏したようです。
あとから割れの危険を聞いたのですが、恐ろしくて仕方ありません。
そのようなわけで、リングが外れてしまったら、速やかに修理に行きましょう。
「別に音も出るし、雑音が出るわけでもないから、大丈夫でしょー」というわけにはいきませんよ。
修理自体は、きちんとした職人さんであればさっとやって下さいますし、比較的安価で済みますので、先送りするようなことはせずに、すぐに馴染みの工房に連絡して下さい。
また、「リングが外れている=管体が縮んでいる」ということですので、他の箇所のバランスも崩れている可能性があります。
そこも併せて見ていただくようにしましょう。(ちゃんとした方なら、お願いしなくても見て下さいます!)
もう一点、気をつけなければいけないのが、練習量。
乾燥しきっている状態で、急に長時間演奏することは避けて下さい。
湿度の急激な変化は、管体の割れにつながります。
リングが外れてしまったあとの練習は、徐々に増やしていくようにしましょう。
リングが外れるような状況にならないために
先述の通り、ジョイント部分のリングが外れてしまった理由は乾燥なのですが、教室の備品(B♭管)とA管を念のため確認したところ、この2本のリングはびくともしませんでした。
この点を職人さんに確認したところ、「普段吹いている楽器を数日吹かなかったためでしょう」とのこと。
いつもは水分が保たれている状態なのに、急に乾燥してしまったのが原因で縮んでしまったようです。
一方、備品とA管は、演奏機会がメインのB♭管よりも少ないため、変化がなかったのではないか、ということでした。
なお、楽器ケース内の湿度が変化しないよう、「モイスレガート」という湿度調整シート(吸湿・放湿をして、一定の湿度に保ってくれるシート)を、ケースに入れているのに乾燥してしまったため、その点も尋ねてみましたが、「もう放湿する水分が、シートの中になかったんだと思いますよ」と言われました。
確かに、シートが湿気を生み出しているわけではないですよね。
ちなみに、モイスレガート自体が乾燥してしまった場合は、蒸気などに当てると良いそうです。
なお、当てすぎには注意することと、直接水を掛けたりすることは避けましょう。
今回、極端に乾燥している場所に保管してあったわけでもないのですが、クラリネットの管体が縮み、リングが全て外れる、という事態になってしまいました。
「年末年始は特に、リングが外れる事例と割れが増える」と、職人さんもおっしゃっていましたので、皆さんは重々注意して下さいね。
もし、しばらく吹けないような時は、乾燥と温度に気をつけて保管するようにして下さい。
何かあったら、すぐに楽器屋さんに持っていくようにしましょう!