調性記号(調号)のつけ方
東京クラリネット教室
今日は、大人の生徒さんのレッスンでした。
宿題は、♭が一つついている、ヘ長調(F-dur)の曲です。
練習の成果を聞かせてもらったところ、なんだか違和感…
五線真ん中のシには♭をつけて吹いているのですが、その1オクターブ下のシにはつけていませんでした。
そういえば、楽譜が読めない状態で入会された生徒さんなのに、調号については話していなかったので、詳しく説明をしました。
音部記号(ト音記号やヘ音記号)のすぐ脇についている♯や♭を「調性記号(調号)」と呼びます。
♯が何個ついているか、♭が何個なのかで、何調か決まります。
「調の性格を決める記号」ということですね。
音には当然高い低いがありますが、例えば様々な高低のシの音が曲に出てきたとして、調号を全ての高さにつけると見にくくなるため、五線の中に収まる一音にだけつける、という決まりがあります。
シの♭は、五線真ん中(第三線)につけます。
そこについていれば、「高さに関わらず、シに♭をつけて下さいね」という意味があります。
先程の生徒さんは、それぞれの音につける「臨時記号」のイメージで調号を捉えていたので、真ん中のシには♭をつけ、下のシにはつけない、という吹き方になってしまったわけです。
各段の最初にしか調号は書かれていないし、特定の高さの音にのみ♯や♭がついているため、ついついつけ忘れてしまいやすいのですが、調の性格を変えてしまわないように、調号は常に意識して演奏できるといいですね。