吹奏楽コンクールに向けてクラリネット奏者がやるべきこと

2019年08月13日 1,304PV
吹奏楽コンクールのプログラムとタイムテーブル

吹奏楽コンクールの季節ですね。

教えに行っている学校や、東京クラリネット教室の小中高生の吹奏楽部員の生徒、また一般の方でも、コンクールを1つの目標に頑張っている方が、多くいらっしゃいます。

今年は、東京都高等学校吹奏楽コンクールに足を運んだのですが、そこで改めて感じた「コンクールに臨むにあたって、クラリネット奏者として大切なこと」を、今回はお伝えしたいと思います。

楽譜に書かれている情報を全てキャッチする

まずは、しっかりと楽譜を読み取りましょう。

しかし「楽譜を読み取る」と言っても、少し漠然としていますね。

簡単に言うと楽譜にある情報を、全て把握して、クラリネットで表現することが大切です。

具体的には、

  • 書いてある音(高さ・リズム)
  • 書いてある強弱
  • 書いてある楽語

を、きちんと理解し、書かれている通りに吹くことによって、「楽譜を読み取れた」ということになります。

これは、すごく当たり前なことなのですが、実はとても難しいことです。

「まずは」と書きましたが、誰かの手によって作り出された曲を演奏する上で、全ての軸です。

伸ばす音やリズムを曖昧に演奏したり、わからない音楽用語・アーティキュレーションを放っておいてはいけません。

とにかく全てにおいて楽譜通りに吹くことを徹底することが、最も必要なのです。

作曲家の意図を汲み取る

中高生の合宿でのクラリネットパートレッスン

楽譜にある情報を正確にキャッチしたら、次の段階です。

  • 作曲家が何を表そうとしているのか
  • どんな意図で書いたフレーズなのか
  • 思い描いているシチュエーションはどのようなものなのか

などを、各々が考え、感じ取る作業をしましょう。

吹奏楽作品だと、スコアの表紙や、表紙をめくってすぐのページに、作曲家からのメッセージが印刷されていることが、多くあります。

そこには、作曲家の曲に対する思い入れや、曲のベースにした物語などが説明されていますので、もしも個人やクラリネットパート向け、または、セクションごとなどにスコアを配布されているのであれば、必ず目を通してみましょう。

指揮者の先生しかお持ちでない場合も「スコアを見せていただけますか?」とお願いすれば、見せて下さるはずです。

曲全体のイメージ、それぞれのシチュエーションをしっかり思い描いたら、可能であればクラリネットパートで話し合って、共通の解釈をしておくとより良いですね。

絶対に同じイメージを共有せねばならないわけではありませんし、曲のイメージというのは強要されるものでもありませんが、やはり同じ曲を吹く以上は、ある程度すり合わせをしておいた方が、心地良い演奏ができます。

思っていることを演奏で表現する

曲についてのイメージを各自が抱いたら、それをいかに表現するかを考えましょう。

コンクールを聴いていて感じたのは、良い結果を収めている団体は、プレーヤーがどう吹きたいかを表現しようとしているということです。

「指揮者がこうやれって言ってたから」

「なんかよくわからないけど、とりあえず吹いておこう」

なんて思っているうちは、いわゆる「良い演奏」はできません。

音楽は点数で評価できるものではありませんが、しかしそれをやろうとするのがコンクールです。

審査をしているプロの音楽家から見たら、自分自身で考えている演奏なのか、やらされている音楽なのかは、一瞬でわかります。

当然、やらされている音楽に、高評価は期待できません。

人の心に訴えかける演奏をするためには、自分達で考え、それをクラリネットで表現しようとすることが、不可欠です。

月並みですが、心を込めて歌ってみるのが、音楽を表現する術を知るのに、一番効果的でしょう。

そして、やりたいことを表現できるように、常日頃基礎練習を繰り返し、テクニックを磨いておくことも重要ですね。

スコアも読んでみる

先程、スコアの話を少し書きましたが、個人・クラリネットパート・セクションなどの単位で、スコアを渡されているのであれば、その意味を考えましょう。

決して、手元にスコアを持っていることに意義があるのではありません。

自分が担当しているパートが、合奏においてどんな役割を担っているのか、同じことをやっているのはどのパートなのか、などを知ることで、音楽に対する理解がより深まります。

いくら各自が完璧に吹いていても心に迫らない音楽と、しっかり「合奏」できている音楽の違いは、そのような部分から生まれます。

自分の担当しているパートの楽譜を、全てにおいてきちんと吹けるようになったら、スコアを自分なりに読んで、一段上の音楽を目指しましょう。

音程を合わせることにも気を向ける

府中の森芸術劇場どりーむホールの入り口

そして、やはり音程に対する感覚を持つことが必要です。

私は、均一な音作りをするべき基礎練習の時に、チューニングメーター(チューナー)に囚われて、本来の自分の吹き方ができないのは違うと思っているので、個人で練習する時には音程は気にしなくて良い、と話しています。

しかし、合奏における音程のウェイトはとても大きいのが事実です。

なぜなら、周囲を聞きながら演奏していれば、音程のズレが気になるはずだからです。

今回のコンクールでも、音楽的な表現に優れている、と思った団体でも、音程が合っていなければ「うーん…」という印象だったのは否めません。

これはとてももったいないことです。

「音程なんて、全然わからない!!」という人も、まずは周囲の音程と、自分が出しているクラリネットの音程が合っているのかどうかに気を配ることから始めましょう。

わからない人も、今はただ単に気づけていないだけで、気にかけることを繰り返していけば、必ず合っている状態と合っていない状態がわかるようになります。

機械にばかり頼っていては、耳は育ちません。

基準の音を合わせたら、そこから先は、自分の耳を信じて、常に「心地良い響き」を目指して演奏していきましょう。

全ての合奏で役立てる

コンクールで評価されることが全てではありませんが、目標に定めた以上は、自分達の納得のいく演奏ができるように、そして、自分達が演奏している意味が表現できるように、今一歩踏み込んだ練習を重ねていけるといいですね。

また今回は、コンクールに向けての心構えとして書きましたが、吹奏楽やオーケストラ、アンサンブルなど、「合奏」と呼ばれるものに臨む時には、いずれも共通して大切な要素となります。

いつでも曲に真剣に、全力で向き合えるように、クラリネットの演奏上必要とされている基礎練習を、普段からしっかりやって、技術を磨いておきましょう。

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