学校の吹奏楽部へ教えに行くと、周りと音が合わず悩んでいる生徒が一定数います。

特に、アンサンブル(合奏)未経験者の新入生によく見られる傾向です。

そりゃ未経験なので、周りと音が合わなくて当然。

ですが、その後、間違った合わせ方を続けてしまい、そのまま悩み続けて人間関係まで崩れ、吹奏楽が嫌いになってしまうこともあります。

これはいただけません。(吹奏楽大好き)

今回は、「もしや私、アンサンブルで煙たがられてないかい……??」と、感じてしまった方に、演奏力以前のお話をしたいと思います。

まずは自分の状態を知ること

演奏力以前と書きましたが、演奏力はいらないの?というと、そうではありません。

未経験者で演奏力がなく上手く演奏できない時期、これは誰でも通る道ですね。

しかし、簡単な曲ならスラスラ吹けるレベルにまで達しているのに、合奏になると周りと音が合わない、これは問題があります。

スラスラ吹けているのに周りと合わない、この原因が演奏力以前の問題であることが多くあるのです。

周りと音が合わない理由

この周りと音が合わない、具体的には3つの意味が含まれています。

  1. チューニングが合っていない
  2. リズムが合っていない
  3. 音が溶け込んでいない

それぞれどういうことか、一つずつ見ていきましょう。

1.チューニングが合っていない

小・中学校の吹奏楽部でもよく見られる傾向ですが、「毎回チューニングしておくこと」となっているはずなのに、なぜかチューニングしない生徒たちがいます。

今日は女子校の管弦楽部のクラリネットパートを指導していきます。 チューニングはしましょう こちら学校の子供達には、「私が到着するまでに、必ずチューニングを終わらせておいてね」と話してあるのですが、終わっていたことがありません。 それどころか、いつまで待っても終わらず… 「合わないねー。どうしようか。うーん…」と、先輩達が頭を抱え、時間ばかり経っていきます。 どうも、私のレッスンと合奏以外では、チューニングをしていないようです。 チューニングする目的 クラリネットをチューニングす…

この記事でも紹介しているように、チューニングメーターで音が合っているかだけではなく、周囲の人と合わせられるか、がとても重要になってきます。

これには、「合わせよう」「周りの音を聴こう」という「動機」が無いと、やらないことなのです。

これが周りと音が合わない原因の一つ。

今日から「合わせよう」としてみてください。

すると次の行動は自然と、周りの音に耳を聴いてみよう、と新しい一歩を踏み出せるはずです。

2.リズムが合っていない

リズムがズレてしまうと、当然周りとは合いませんよね。

リズムは徹底的に身体に染み込ませておきたい要素です。

リズム感がない、テンポをキープすることが苦手、という方は基礎練習も大事ですが、日常生活の中で、常にリズムを気にしてみてください。

日常に溢れているリズムを利用しよう

私たちは、屋内・野外に関わらず、様々な音のリズムの中で生活しています。

電車の「ガタンゴトン」や、車で曲がる時のウィンカー「カッチッカッチッ」、歯磨き「シャカシャカ」。

そして、日常生活の中でも、強力なメトロノームとなる、「歩く」というリズム。

人はかなり正確なテンポで歩いています。
自然すぎて気にしたことがない方も多いかと思います、一歩ずつテンポを崩して歩いてみるとよく分かるかと思います。

つまり、リズム感がないことは無いのです。
自信をもちましょう。

リズム感を養う考え方

では、なぜ音楽になると、リズム感が無い、となってしまうのでしょうか?

それは、指や呼吸といった、他の動作が加わった時に、テンポをキープする訓練が足りていないからです。

初めて歩きだす子供を想像してみてください。

立ち上がって、一歩を踏み出したけれど、両腕や頭、全身のバランスは悪く、ヨタヨタですね。

徐々に全身の使い方が身についていくと、テンポ良くのすのす歩き始めます。

今、私達がテンポ良く歩くようになっているのは、子供の頃、自然と訓練「練習」したからです。

しかし、生きる上で、楽器を演奏する技術は、自然には身につかないので「練習」が必要となります。

楽器がなくてもできる練習

まずはこの「歩く」という動作に、リズムに乗る癖をつけてみてください。

テンポ良く歩いていると、靴の音がするかもしれません。

そして、カバンにアクセサリーが着いていると、靴の音とは少しズレて、パーカッションのような役割をしてくれます。

正確なリズムで刻まれている靴の音に、あなたが今取り組んでいる曲を乗せて、あたまの中で演奏してみてください。

上下の歯を軽くコツコツ合わせたり、擦り合わせると、あなただけに聞こえる打楽器のできあがりです。

そして、交互に着地する足に合わせて、リズムをとってみてください。

正確に取れるようになってきたら、次は裏拍でリズムをとってみましょう。

このように、リズムを意識しながら、日常生活を送るだけでも、立派なトレーニングになります。

日常にある音やリズムを楽しみながら、リズム感を鍛えてみてください。

3.音が溶け込んでいない

チューニングも合って、リズムもバッチリ!

「でもなんか合わないな……」

このことに気がつけている人は、周りの音は聞けている状態にあると言えるでしょう。

周りと綺麗に合わせられるまで、あともう一歩!
以下のことに気をつけてみてください。

  • 実は自分の音が大きすぎる
  • 自信がなくてしっかり音が出せていない
  • 強弱の付け方が間違っている

といった音量や、音の質の問題が関わっている可能性があります。

実は自分の音が大きすぎる

実は音量かな?と思った時は、普段より音量を下げたり上げたりして、周囲の音と一体化するような、溶け込むような音量を探してみてください。

自信がなくてしっかり音が出せていない

リズムや自分の音に自信がなくて、細々吹いてしまっている人は、自信を持つことから始めましょう。

学校での練習や、間違えてもいい仲間と、大きな音でたくさん失敗しながら、自信を持って吹けるようにしましょう。

せっかくの合奏です、しっかり音を出して楽しめる環境づくりから始めてください。

周りと音を合わせる方法

合奏で音が合わないことが多い場合、「周りの音を聴いていない」人が多いということが言えます。

まずはこの、周りの音を聴くという習慣を、しっかりと身に付けましょう。

合奏練習をスマートフォンなどで録音して、休憩の時などに聴いてみてください。

自分が合奏の中でどんな音を出しているのか、よくわかると思います。

そして、周りの音と合わない合奏は、あちらこちらでおかしな行動をしている人が多いことに気づくかもしれません。

これが、周りの音が聴けている、という状態です。

つまり、合奏が始まり、みんなで音出しを始めたときから、全体の音を聴く、ということに慣れておくといいでしょう。

そして、全体の中で、個々が自分の音を調整していくことができると、ビタッと綺麗な音で合奏することができます。

合奏が合わない時、是非やってみてくださいね。


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