リードとは

クラリネットを吹く上で、リードはなくてはならないものです。
喉に手を当てて「あ~~」と声を出した時に、ビリビリと震える感覚があると思います。
声帯という筋肉が振動している間を空気が通って声となって出てくるのですが、クラリネットではリードが声帯に当たります。

要は、リードはクラリネットの声(音色)を決める重要なもの。
しかし、初心者の方はあまり気にしていなかったりします。
正確には、慣れないと気にすることができない、ということです。

ここでは、クラリネットを吹く上でとても大切な、リードの選び方や扱い方、保管方法などを紹介します。

リードの選び方

「リードなんて、ついてればいいでしょ」というわけではありません。
リードによって変わる吹き心地は大きく変わることがあります。

「使ってたリードが割れたから、新しいリードを箱から出して……」というやり方をしていると気づきにくいのですが、実はリードには1枚ずつ違いがあります。
息が全然入らなかったり、鳴りすぎてしまって音が良くなかったり。

そこで普段から良いリードを選ぶ必要があります。
では、「良いリード」と言うのはいったいどういうリードでしょう?

  • どの音域も同じように鳴らすことができる(特に高音域)
  • 音色も吹き心地も良く鳴る
  • 本番でも使えるレベルのリード

普段からこのようなリードを選び、使うことを心がける事が大切です。

リードの購入方法

B♭クラリネット(『クラリネット』と聞いて思い浮かぶのがこの楽器です。)のリードは、基本的に1箱10枚入りで売っています。
価格はメーカーによって異なりますが、現在は大体3000円前後。

この10枚に当たり外れがあるので、前述の通り、良いリードを探す作業が必要になります。
残念ながら、ひどい時は10箱開けても良いリードがないこともあります。
ですから、できれば1箱単位の購入ではなく、お金の許す範囲で複数購入するといいです。

「音色はあまり良くないけど鳴りはいいから、基礎練習に使おうかな…」レベルのリードは、どうにか1箱2・3枚は見つかるはず……です。
それすらない時は、さすがに「なんてものを売ってるんだ!」と、怒りすら覚えますが、ぐっと我慢です。

オーボエやファゴットは、リード1つあたりの単価が高いのですが、試し吹きをして自分に合ったものを探すことができます。
クラリネットは需要も多く、単価も低いため、そんなことはさせてもらえません。
どんな箱が手元に来るかは運任せ。宝くじ気分です。

そして、100枚吹いてやっと1枚……なんて状況の場合は、もはやその1枚に3万円近く払ったようなもので……。
リードは大切にしなくてはならないですね。

クラリネットリードの当たり外れ

自分にあった番手を決めよう

リードの箱や、リードの裏面には、「2と1/2」や「3」などの数字が書いてあります。
この数字、リードの厚さだと思っている人が多いかと思いますが、リードの硬さを表していて、数字が大きいほど硬さは増します。
メーカーや、同じメーカーのものでもリードの種類によって数字の付け方(硬さの基準)は微妙に異なりますので、自分にあった番手を見つけることが大事です。

リードの開封と演奏前の下準備

クラリネットリード

リードを購入したら、まず箱から出し、空気にさらします。
個包装になっている場合は、それも全て開けます。

少なくとも1日置き、一度全てのリードを吹いてみます。
その時点で「これは鳴りすぎ」「このリードは全然息が入らない」など、極端な吹き心地のリードは避けておきましょう。
この時リードケースに×や△などで印をつけておくと、あとからでもわかりやすいと思います。

これで、リードが一旦水分を含んだ状態になりました。
ここでまた何日か置き、数日経ったら、最終的な絞り込みをしましょう。

初回に避けたもの以外を、もう一度一通り吹いてみます。
その中から3枚くらい、吹きやすく音も良いリードを選び、普段からまんべんなく鳴らしておくと、本番前などに焦らないで済みます。(3枚以上あれば、もちろん全て使って下さいね)
もしどうしても、買った中に1枚もいいリードがないようであれば、残念ではありますが買い足しましょう……

本番前の絞り込みと準備の仕方

本番前には、本番で吹くためのリードを決めると思います。

前もって本番で使えそうなものを選んでおくに越したことはないのですが、もし間際になってしまう場合は、遅くとも本番1週間前までには絞り込みまで終わらせましょう。
直前に選び、「うわっ!このリード、すごくいいじゃん!!」と思ったリードは、確実に裏切ります。
私も、「今回こそ大丈夫かも…」と思い、何度失敗したかわかりません。

また、すごく吹きやすいリードが見つかった場合、状態を変えたくないからといって、温存するのも危険です。
吹きすぎも良くありませんが、1日1回・10~30分くらい吹くようにすると、安定性が増しますよ。

雑音が気になる時の対処法

雑音が気になる時は、平らな場所に置いた紙(コピー用紙のような紙ならなんでも良いです。楽譜の裏でも。)にリードの裏面が接するように置き、削ってある部分に指を置いて、軽い力でくるくると円を描くように数回回します。
そうすることで、リード裏面のでこぼこが均一になり、雑音がなくなることがあります。

力を入れすぎたり、回数が多すぎると、リードが薄くなってしまって、鳴りが変わってしまうこともあるので、注意が必要です。
また、雑音の理由が他にある場合もありますので、なくならないからと言って、ムキになってやりすぎないようにしましょう。

自分でリードをカスタマイズする

クラリネット奏者の中には、目の細かい紙ヤスリで市販のリードの裏面を削り、自分の好みの厚さに調整している人もいます。
ただ、これは慣れが必要ですし、使っているマウスピースやリガチャーとの相性もありますので、何百枚と試す覚悟がないと、手を出しにくいかと思います。
私も試した時期がありましたが、一時的には良くても、持ちが悪く、使い勝手が良くないリードばかりになってしまい、あっさり諦めてしまいました。
しかし、やってみたらしっくり来る可能性もありますので、「どれも硬くてうまく音が鳴らない…」という箱に当たってしまった時などに、試してみるのもいいかもしれません。

良いリードを選ぶ為の注意点

リードを選ぶ際に、最も大切なのは「吹き心地」です。
もちろん音色も重要ですし、まんべんなく鳴ることも大事ですが、「音はいいけれど、やたら息を取られる」というリードがあるのです。
このリードに当たると、普段通りに吹いていても息が足りなくなり、苦しく感じます。
そうなってしまうと、演奏に集中することが難しくなります。

ロングトーンをしてみて、息がもたないなど、少しでも違和感があるようなら、音色が良いリードでも、候補から外した方がいいでしょう。

リードの寿命とローテーションのコツ

もちろん吹く頻度にもよりますが、1枚のリードを吹き続けた場合の寿命は、約1ヶ月と言われています。
1ヶ月ごとに、またリードの絞り込みをするのも大変ですので、選び方の話でも書いたように、常に3枚ほど状態の良いリードを持ち、それをローテーションさせて吹くようにしましょう。
1枚のリードを吹き続けるよりも、当然長持ちしますし、不意に割れてしまった時なども、すぐに対応できます。

新しいリードは、いきなり長時間吹くとすぐにへばってしまうので、30分くらい吹いたら他のものに交換します。
1~2週間吹いて慣れてきたら、1日ずつのローテーションでいいでしょう。

どのメーカーと番手を選ぶか

リードはいろいろなメーカーから、いろいろな種類が出ています。
よく使われているのは、フランスのヴァンドレン社が出している「トラディショナル(通称青箱)」ではないでしょうか。
これは以前、見た目そっくりの偽物が出回ったこともあるくらい、プロアマ問わず使っている人が多いリードです。
番手は、経験や息の強さなどによっても変わりますが、「3」か「3と1/2」が定番です。

新定番!?レジェールリードという選択肢

クラリネットのリジェールリードとは?

また、最近では「レジェールリード」というリードが売られています。

レジェールリード 2000年頃から市場に出回り始めたレジェールリード。 発売当初は、樹脂でいい音が鳴るわけがない、という意見が多くありましたが、技術は向上し、完成度は年々高くなってきています。 今回はそんなレジェールリードについてご紹介します。 レジェールリードってなに? 演奏する環境や湿度、割れや破損といった、コンディションによって演奏が左右されてしまうプレイヤーに、安定したプレイを供給するために開発されました。 その他にも、アタリ、ハズレの偏りが多く、コストもかかるケーンリードに…

これは、植物でできている従来のリードとは違い樹脂で作られており、扱い方を間違えなければ半永久的に使用できます。
1枚で、1箱分かそれ以上の値段ですが、試し吹きをして購入することができますので、好みのものをずっと使えると思えば、安い買い物かもしれません。
番手も、1/4刻みであるそうです。

レジェールリードを使っている人から聞いた話だと、クラリネット用のリードよりも、ソプラノサックス用のリードの方が音がいいとか。
興味のある方は、楽器を持って大手楽器店に足を運んでみて下さい。

リードを長持ちさせるメンテナンス方法

クラリネットリードのメンテナンス

普段の手入れ

吹き終わったあと、楽器はきちんと掃除をするのに、リードは水分も取らずにしまっている人をたまに見かけます。
必ず、スワブで挟むようにして、表面と裏面の水分をしっかり取りましょう。

買った時に入っている1枚ずつのケースにしまうのも悪くはないのですが、できれば内部にガラスの板を使っているリードケースを購入して、そこにしまいます。
リードは植物でできているため、天候や湿度に状態が左右されます。
水分を含んだものを乾かすと、ごくわずかですが先の部分が波打ったようになってしまいます。(紙を濡らして、乾かした時のことを想像していただくと、わかりやすいかと思います)

購入時のケースだと、リードの薄い部分が宙に浮いた状態でリードが乾くことになりますので、吹くたびに少しずつ形が変わっていると言えます。
ガラス板の上でまっすぐ保管し、変形を最小限に食い止めることで、吹きやすいリードがより長持ちするのです。

リード交換のタイミング

リードは、どのようなタイミングで交換していますか?

欠けてしまった時や割れた時、仕方なく新しいリードと交換すると思います。

「ちょっと欠けただけだからもったいない」と言って、そのまま使い続けてはいけません。
気持ちはわかりますが、リードミス(クラリネットによくある「キャッ」や「ピッ」という音)が出やすくなるので、すぐに新しいものに取り替えましょう。

また、表面が白っぽくなっていたり、カサカサしていたり、薄い部分が手前に反ってきてしまっているものも、もう替え時がだいぶ前に過ぎています、すぐに交換しましょう。

たまに「かじった…?」というくらい、上の部分がガタガタのリードをつけている初心者を見ることがありますが、それではいい音がするはずはありません。
「なんか喉の様子が変だなー」という時に、声がいつものように出ないのと同じです。
「音が出てるから大丈夫」ではなく、常に状態の良いリードをつけることを意識しましょう。

リードを良い状態に保つコツ

ちなみに、マウスピースをくわえる時に歯を当てたり、楽器を抱えている時に髪の毛を引っかけたり、キャップをする時にぶつけたり……と、リードを割ってしまう危険は常にあります。
以下の事に気をつけて、リードを長持ちさせる事を意識しましょう。

  • リードの上部には直接触れない!
  • 楽器を持っている時は常に気を配る!
  • 吹いていない時は必ずキャップをする(キャップをする瞬間も要注意!)

これで、大抵のアクシデントは避けられます。

リード選びを繰り返してわかったこと

ヴァンドレンのV12、ルピック56、リコのグランドコンサートなど、いろいろなリードを試した私ですが、結局今はヴァンドレンの青箱に戻りました。
これと言ったこだわりがあるわけではないのですが、長年使っていて、様子がわかりやすいのと、使い勝手がいいというのが一番の理由かと思います。

気にしなければ、なんでもいいと思えるリード。
しかし、きちんと選んでみると、「こんなに違うんだ!」と体感できるはずです。
保管方法やローテーションに気をつければ、気に入ったリードを長持ちさせることもできます。

リードにもしっかり気を配り、うまく付き合って、より良い音色で演奏する事を目指しましょう!


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