「クラリネットの演奏に、あまり自信がない…」「曲を吹く時に、堂々と吹けない」などの悩みをお持ちの方は、実は少なくないと思います。

自分の演奏に自信を持つためには、やはり「基礎をしっかり練習してある」という『自信の根拠』を作ることが大切です。

何度も、重要性については、日誌やこのブログにも書いていますが、今回はロングトーンの大切さと注意点を見直してみましょう。

何のためにロングトーンをするの?

ロングトーン(1つの音をまっすぐ長く伸ばす練習)の最大の目的は、曲を吹くための音の出し方の習得です。

部活指導などで、しばしば「基礎練習は基礎練習」「曲は曲」になってしまっているのを見かけますが、それでは基礎練習の意味が全くありませんし、意味がないと感じるものは、どうしてもただやり過ごすだけになってしまいます。

せっかく貴重な時間を割いて基礎練習をするのですから、先につながるものにしましょう。

ロングトーンで注意を払うタイミングとは

ロングトーンには、注意すべき点がいくつかあります。

ただ、同時に気をつけなければいけないことは意外に少なく、「音を出す前」「吹き出し」「吹いている最中」「吹き終わり」と、それぞれのタイミングで気にすればいいので、「あれもこれもやらなきゃいけなくて大変!!」ということは、ないと思います。

では、1つずつ見ていきましょう。

なお、必ずメトロノームをかけて練習して下さい。
速さは、四分音符60くらいがいいと思います。

音を出す前

ここでは、たっぷり息を吸うことに集中しましょう。

吹き始める前には、必ず余拍を取ります。
「余拍を取る」とは、吹く前に、今から吹こうとする拍子を数えること。

いきなり吹き始めると、「とりあえず音を出す」が目的になってしまい、吹ける状態になっていないことがあるので、余拍を取り、そこで口や呼吸の準備をします。

ロングトーンでは、大抵4拍か8拍伸ばすと思いますので、余拍は4拍がいいでしょう。

「1・2・3・4」と数えてから吹きますが、この「3」で一度息を吐き出します。

なぜわざわざ吐くのかというと、「元々肺にある息」は、楽器を吹く時には使えないので、ここで一旦体の中の空気を出し切り、楽器を吹くための空気を最大限吸うためです。

そして「4」で目一杯息を吸い込みます。

とはいえ、肩を上げたりしてはいけません。
体(お腹)の中に空気が自然と流れ込んでくるイメージを持つと、余分な力が入らず、たっぷり吸うことができます。

吹き出し

吸った息を、思いきって入れます。

極端に強くなったり、汚くなってはいけませんが、かと言って、探り探り息を入れるのは、もっと良くありません。

「出だしがピッて言ったらどうしよう…」なんて思ってると、ついつい弱い息になりがちですが、ロングトーンは「吹き出しから吹き終わりまでまっすぐ吹く」が基本ですので、伸ばしたい音量・息のスピードで出られるようにしましょう。

もし「ギャッ」や「ピッ」と鳴ってしまったら、それはその時です。

そのような音が出る時は、「口が締まりすぎ」「口が緩すぎ」「息が強すぎ」のいずれかに当てはまるはずですので、原因を考え、次回は鳴らないようにすればいいだけ。

くれぐれも「きれいっぽい音」に聞こえる、「弱~い息でそっと吹き始める」なんてことは、やってはいけませんよ。

また、音の吹き出しにタンギングをしているようであれば以下の記事を参考にしてみてください。

4月から高校に進学し、なかなか強い吹奏楽部に入る予定の中学3年生。 今のうちに、基礎の再確認です。 今日は、ロングトーンの出だしを直しました。 よくある「出だしの悩み」 「音の立ち上がりが、なんだか汚ない」「チューニングの時に、最初だけ高くなってしまう」などの原因の1つは、出だしに強く舌を突いていることです。 クラリネットの場合、音を出す瞬間にタンギングはしません。 …と言うと、誤解を生んでしまいそうで怖いのですが、ここで言うタンギングは、「離れていた舌を、吹く瞬間に…

吹いている最中

しっかり音を出すことができたら、その音量と息のスピードを維持し、まっすぐ伸ばすことが大事です。

しかし、ここで優先することは「長く伸ばすこと」ではありません。
「8拍伸ばせないかもしれないから、ちょっと省エネモードで」というのは、ロングトーン本来の目的から外れますので、やめましょう。

前述の通り「吹き出しから吹き終わりまでまっすぐ吹く」が重要ですので、せっかく充分な音量と、スピードを持った息を入れて吹き始めたのであれば、そのまま吹き切って下さい。

それが、もしも6拍しか伸ばせなくても、今は問題なし。

息が足りなくなる理由は、吸っている息の絶対量が足りないか、力をかけて吹いているかのどちらかです。
次の音に進む前に、原因を探って、改善を試みてみましょう。

吹き終わり

なんとなく息を弱めてしまったり、口の中に余っている息を「フッ」と吹き込んでしまったり、舌でペタッとリードの振動を止めたりしては駄目です。

ロングトーンで鳴っている音の形のイメージは、レンガや羊かんのように、一定の幅が理想。
吹き終わりも、その形を維持する必要があります。

ほぼ1ヶ月ぶりの、小学2年生の男の子のレッスンでした。 すっかり組み立ても忘れてしまっていて、ベルとたるを一生懸命くっつけようとしたりしていました。 なんだかほほえましいですが、今後は確実に覚えていってくれたらいいなと思います。 楽器の組み立てはそんな感じでしたが、リードの付け方はいつも通りばっちり。 得意なことがあるのは、とてもいいことですね。 少し時間はかかりましたが、無事に準備ができたので、前回のおさらいをしました。 真ん中の「ソ」~下の「ド」までです。 伸ば…

音を切るタイミングも、大切です。

メトロノームに合わせ、8拍の場合は「1・2・3・4」「1・2・3・4」と伸ばしたら、次の「1」になる直前で切ります。

それより前でも、「1」を超えてしまっても、正しい拍の長さではなくなってしまいます。

切り方とともに、長さにも気をつけましょう。

「気を配ったロングトーン」で自信をつけよう

「なんとなく伸ばしていただけ」のロングトーンを、意味のある練習に変えることで、曲の吹き方が大きく変わります。

ただ、残念ながら「自動的に曲の演奏が良くなった!」ということはありませんので、ロングトーンで身につけた吹き方・伸ばし方を、常に意識することが大切です。

クラリネットを吹く力が底上げされると思えば、退屈に感じていた基礎練習にも身が入るはず。

一音一音に気持ちを込めて、自信を手に入れながら、演奏に磨きをかけていきましょう。


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